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2022/08/10

関連痛もしくは連関痛の存在 ほんとうにその歯が痛いですか?

むし歯が進行すると原因の歯が時々、わからなくなることがあります。
急性期の歯髄炎では ズキズキした状態だと痛みが響くため、どの歯が痛みの原因かわからなくなります。
上の歯が原因なのに下の歯が痛いと感じてしまう、
もしくは逆の場合もあります。
歯の痛みを誤認してしまうことがあります。
痛みの部位の誤認が起こることを関連痛もしくは連関痛と呼びます。
本ケースでは左上の歯が痛いと訴えられ当院に来られました。
左上の歯をレントゲン・歯髄診査・診査してもむし歯がありません。
左下の歯をよく観察すると左下の6番に大きいむし歯がありました。
痛みがある歯を診断をせずにやみくもに削る行為は非常に危険です。
まずリスクが大きい場所を優先的に治療していくべきです。
そこで左下の奥歯の根の治療を行うと、たちまち痛みが取れました。
関連痛が起きた典型的なケースだと思います。
左上の歯は痛みが完全に消えましたので治療介入は行いませんでした。
きちんと診断すること、そして適切な治療していくことが臨床の現場では特に重要です。
副院長 歯科医師 大島光慶